間取りプラン・デザインの著作権

公開日: : 最終更新日:2016/01/10 間取り ,

住宅メーカー複数社での価格の比較

一番安い建設会社を選びたい。賢い買い方で家を購入したい。

誰しもがそう考えています。全く同じプランのもので数社の見積もりが欲しいですよね。

しかし、実はそれは不可能なのです。

よくあるパターンの値段比較と交渉

実はこれはよく受ける依頼なのですが、他社が作成したプランを持ち込んで見積もりだけを作成してもらおうというお客さんがいます。

住宅メーカーA社とプランの打ち合わせを繰り返して自分の希望する間取りプランを作成し、そのA社に作成させた間取り図面と見積もりを別の住宅メーカーB社に持ち込み見積もりだけの作成を依頼するわけです。そして依頼する際B社に「間取りはもう出来上がってるから、A社より安い値段を出せばおたくの会社で買ってあげる。」と言うのです。

こういう風に煽れば安い見積もりを出してくるだろうと画策しているわけです。

設計はA社にタダでさせたから設計の手間が省けて安くなるだろう。A社と同じ材料でA社より安い見積もりを出してきたら買ってあげる。そう言ってきます。

こういう場合どういう対応かというと、断られる

引き受けてくれたとしても、間取りは違う間取りを作り直されて渡してくれます。

なぜそうなるのか理由を説明します。

 

間取りプランの著作権

間取りプランをそのまま使用すると著作権に触れてしまい法的に罰する事が可能になります。設計士がそのリスクを負う事になります。

黙っていれば分からないのでは?と思いますよね。

そう、確かに黙っていればそうそうバレる事はありません。よほど奇抜なデザインでない限り分からないでしょう。しかし、こういう交渉手段を用いる人というのはA社に作らせた図面と見積もりをB社に持って行き、今度はB社に作らせた図面と見積もりを再びA社に持って行き価格交渉しようとします。さらには別のC社に持ち込もうとジタバタと頑張るのです。こういうタイプのお客さんは自分から全てをバラしてしまうので応じる事は無理なのです。

そもそも、まだお金も支払ってないただ来ただけの人のために、設計士としての道を閉ざされるようなリスクを背負い込んでくれるお人好しの設計士などいないのです。

よく間取りプランのプラン集などがインターネットやカタログなどでオープンに公表されてます。気軽に引用してくださいという感じがしますね。しかし住宅メーカーA社のプラン集を別の工務店B社に持ち込んで依頼すると断られる可能性があるのです。それは、やはり著作権があるためです。

もしプラン集などで気に入ったプランがありどうしてもそのプランがいいというのであれば、書き写していけばいいのです。そして「私が考えたプランです。」と言い張ればいいのです。別に訴えられたりはしません。バレなければいいだけだから、自分が言わなければまずバレる事はありません。

 

間取り図面は設計図面ではない

工務店や住宅メーカーが提示してくる間取り図面やパースは設計図面ではありません。渡される図面というのは『素人の方にも形が分かりやすいマンガ』だと思って下さい。この図面だけで家の施工を行うのは無理なんです。

間取りの事を設計だと思っている人は多いと思います。これはちょっと違うのです。

組んだ間取りに対してどこに柱や梁を配置するか、構造上の耐力計算などをしたり建築基準法に添っているかなどを考慮したり確かめたりする事が設計という業務になります。要するに本当に家を作るための設計図面というのはお客さんは見る事はないのです。

そのためマンガ程度の内容しかない図面を渡して『設計はもう出来ているから。』と別の建設会社に渡しても、肝心なデータはそのマンガ図面には記載がないのです。

設計に必要な詳細図面というのは、プランが確定して契約書に判を貰って初めて作成に取り掛かります。買うという約束をしなければ本格的に設計には取り掛かりません。そのため間取りプランを作成させたA社にすらまだ設計図面は存在しないわけです。

設計業務は建築に関わる公的な書類を作成したり申請手続きに行ったりと、間取り図面をただ書いているだけではないんです。なので、マンガ程度の間取り図面を渡したからといって、‘設計済みで設計手数料が必要ないから安くなる’などという事には絶対になりません。

 

使用している材料が分からない

同じ材料を使ってのプラン比較も通常行うのは困難です。

「A社と同じ材料で安い見積もりを出せばおたくで買ってあげるよ。」と持ち込む図面に材料の詳細は記載されていないので、何を使っているのかチンプンカンプン分かりません。

そして大手住宅メーカーなどは当社オリジナルの材料などを使っている場合が多く、他社ではその材料を手に入れる事自体が無理になります。

 

そもそもそんな事する人は人格的に信用できない

住宅メーカーA社の営業マンや設計士と最初から裏切る事前提で自分の希望に添ったプランを何度も何度も打ち合わせをさせているわけです。お客さんの希望するプランにたどり着くまでの苦労を同業者であれば痛いほど理解できるため、そのような行為は建設会社の社員に不信感を持たれます。

そういった真似を平気でする人が「おたくで買うから。」と囁いてきても信用できないのです。

自分達も利用される可能性がある。次は別のC社に行くつもりだろう。と思われてしまい、担当する営業も担当する設計士もつけては貰えません。来たらとりあえず当たり障りのないよう相手をしておこうという扱い方をされるようになります。

 

じゃあ他社との比較はできないの?

いいえ、できます。黙って数社と打ち合わせを平行させている方はたくさんいます。

別に他社と並行して打ち合わせしている事を言っても大丈夫です。

各会社が各自で提案したプランから選ぶのはアリなのです。

ただ、それも断る建設会社も存在するため、いちいち比べている事など言わなくていいのです。

 

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