坪単価とは?坪単価計算の落とし穴

工務店とハウスメーカー

坪単価という金額の表し方について

家に坪単価などという金額の表し方は本来ない

本来、家の金額を表すのに『坪単価』などという表し方は存在しませんでした。

今では当たり前となった家の金額の表し方になっていますが、これは‘流行り言葉’が浸透してしまっただけなんです。

生命保険のCMなどで『1日たったの〇〇円。』というフレーズを聞いた事ありませんか?あのフレーズを真似た建設業者が広めてしまったらしく、今は当たり前のように使われる専門用語のようになっています。

『坪単価』という言葉自体は昔からあります。ただ、それは土地に使用する言葉として存在していました。土地は場所ごとに価値が異なるためこのような単位が存在するのです。

誰もが家を購入する際に坪単価を確認するため、業者も坪単価を教えてくれます。しかし、その坪単価で明確な金額を計算する事は不可能なためただの目安にしかなりません。


坪単価はあくまで目安

家を購入する時の目安が分かれば購入に踏み切りやすい。坪単価を明記する理由はそれだけです。

大抵の人は建てる家の大きさや仕様が似ているため、その坪単価を参考にすれば目安になります。

しかし、時に当てはまらない事もあるのです。

「それでは目安にならない。」そう思いましたね?

坪単価表示は元々建築にはない金額表記だから当てはまらないのです。

 

坪単価のトリック

家は小さくても大きくても人が住む以上住宅設備は同じものが揃います。キッチン・トイレ・お風呂です。

20坪の家にも40坪の家にも同じグレードのものをつけたとしましょう。

キッチン30万、トイレ30万、お風呂40万住宅設備に合計100万円。この100万円を総床面積の坪数で割ると。

100万円÷20坪=5万円

100万円÷40坪=2.5万円

坪数の小さい家の方が住宅設備だけを坪単価計算すると高くなります。

もう一つ例をあげましょう。

20坪の平屋とその20坪が総2階建てになった40坪の家があるとします。この場合屋根の形、面積は同じになります。その屋根が200万円としましょう。

200万円÷20坪=10万円

200万円÷40坪=5万円

このように坪単価で割ってしまうと坪数の小さな家は坪単価が高くなります。

 

みなさん小さな家は金額が安いと思っているので、坪単価も安くなると思い込んでいます。その思い込みが誤解を生んでしまうのです。

家が小さいためもちろん1棟単価は安くなっています。しかし、それを坪単価で割ってしまい金額の査定をしようとする方が多く、この坪単価トリックにはまってしまい『騙されてる。』という思い込みを抱いてしまいます。

しかも小さな家を購入する人に限って、家は小さく安く済ませられるからと住宅設備の方ににこだわる方も多く標準仕様のものよりグレードの高いものをつける傾向にあります。キッチンなどはグレードを上げていくと高級車が買えるような値段のものも存在します。そういう設備をつけて、坪単価割りをして『見積もりが間違えている!』と大騒ぎする人もいるのです。坪数が小さい場合グレードを上げた設備を入れるとすぐに坪単価は倍以上になってしまうのです。

業者は騙してなどいないのです。もちろん計算を間違えているわけでもありません。

‘坪単価’という単価計算方式が建築に当てはめて使用するものではないだけなんです。


建設業者は坪単価で見積もりを出してはいない

そもそも家のプランを任された建設業者はそのような坪単価を乗じて計算するような方法で見積もりを出してはいません。

『積算』と言われるように、その家に使用する部材を全て拾い出し足したものを家の値段としています。

坪単価計算で計算するというでは『100円で詰め放題!のニンジン』のような感覚になってしまいます。そんなザックリ計算で見積もりを作る会社があったとしたら一瞬で潰れるでしょう。

 

ちょっと変な例えをしましょう。

200万円価格で1トンの自動車と140円で28gのふりかけがあったとします。

200万円÷1トン=2円

140円÷28g=5円

このような計算をして車やふりかけの価値の何かが分かりますか?

しかもふりかけの方がグラム単価が高いですね。車より高級品だと感じましたか?

軽自動車と大型車を比べるためにグラム単位を弾き出して1グラムに対しての価値を検討したりしていますか?

家もグラム単価を出そうと思いますか?そんな計算しようとする人はいないため家の重さなど建設会社に尋ねても知りませんよ誰も。そもそもしないでしょ?そんな事。

車は1台で200万円だし、ふりかけは1袋140円という認識を持っています。

それと同じで家も1棟〇〇円です。

坪単価計算もこれとほとんど同じ事をしているようなもので意味がないのです。

自分が欲しいと思ったものに付いている金額がその商品の価値になります。

 

坪単価トリックにはまらないために

家の間取りプランを進めていくときは、自分達家族に必要な部屋数や設備をつけたら家が1棟いくらになるかが基準です。設備グレードを上げたらいくら値段があがるのか、間取りをかえたらいくら値段に差が出るのか。それが家の値段の基本的な考え方です。

何かを確かめたいという気持ちが働いて『坪単価』で割ろうとしてしまいます。確かめるのは変更する前の見積もりとの差額しかありません。ただ、間取りの変更による差額は確かめるのが難しいのが正直なところでしょう。

「少しでも安くしてやろう。」という気持ちが働いているのも分かります。

グレードが高いものを選ぶ人にこの傾向が見られます。高くなった分を別の部分で安くしようと考え始めるのです。

そして電卓を叩いて何かを計算し始めてしまうのでしょう。その際唯一自分が出来る計算式が『坪単価割り』のため、坪単価トリックにはまるのです。

 

正しい計算方式は

自分が必要とする家の値段が、自分が支払い可能な値段で収まっているかどうかを確かめるだけ。

本当にそれだけしかないのです。

そして、支払い可能な金額に収められない場合は、いかに妥協できるのか、どの部分を妥協するかしか方法はありません。

立派なキッチンをつけるのであれば、トイレやお風呂のグレードを下げればいいのです。それでも足りないなら床の材質も安い物にすればいいのです。

坪単価計算をして「高い!」と騒いでも、値段は一切下げてもらえないどころかあなたの計算間違いとなり恥をかくだけなのです。


土地にも坪単価トリックがある

土地を購入する時にも坪単価表記による落とし穴があります。

『牛肉100g〇〇円』や『生地1m〇〇円』という量り売りと表記のし方が似ています。自分に必要な分だけ購入するのが量り売りの売り方です。これと混同してしまう方も多いようです。

そのため不動産屋に行って広告を取り出し「ここの土地を40坪だけください。」という買い方をしようとする人がいるようです。1区画60坪の土地を指さしてその土地を40坪だけ買いたいと言っても無理なのです。残りの20坪の端切れのようになってしまった土地では買い手が付きません。

土地も家と同じように1区画いくらという買い方になります。

自分の用意できる金額を坪単価で弾き出して計算して、自分の必要分だけ買おうとしても無理なのです。

じゃあ坪単価って何?って思いますね。

それは、土地の価値・場所の価値になります。不動産価値です。利便性のいい街中は坪単価が高く、生活するのに不便な場所は比較的安いという事です。

 

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